2009年10月14日

天才の育て方(朝日新聞)★川上未映子

作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:3 うまくいってもいかんでも運やから2008年4月22日

 どんな時も川上家に笑いは絶えない。

 「探検に行きます」。ある日、利江(54)が子どもたちにいった。すでに夜。バケツを持たされ向かった先は学校。水をくむという。実は料金未納で水道が止められていたのだ。

 「辛気くさいのは好かん」

    *

 未映子は、哲学的な半面、人一倍気が強く、目立ちたがり屋だった。

 幼稚園のお遊戯会。列の端の方で登場すると、隣の子を押し、だんだん中央のマイクの前に近づいてきて、ニッコリ笑う。先生がもとの場所に列を押し戻してもまた、じりじりと中央へ。セリフは誰よりも大きな声で言った。

 小学校低学年のころ、黙読ができなかった。声を出してしか読めない。でも、そんなことは親子とも気にしなかった。高学年は学級委員で、通知表は国語と美術は5、あとは4か3。参観日に母が来るか気にし、来ないと激怒した。おなかが痛いとうそをついて、たびたび母に学校まで迎えにきてもらったこともある。

 利江は、公文も習字も詩吟も、子どもがやりたいと言ったおけいこ事は、なんでもさせた。すぐにやめても「そやから、ゆうたやろー」と笑うだけ。「勉強しろ」とも決していわなかった。

 「うまくいってもいかんでも、それはその子の運やから」

    *

 中学生の未映子は夏休みや春休みに、年を偽って友だちと、近くの工場へ働きに行った。利江が薦めたわけではない。友だちは小遣い欲しさだったが、未映子は給料を全額、利江に渡した。

 「気遣いのある優しい子なんです」

 だが、それは、利江の背中が教えたことでもある。生活が苦しい時も、子どもの友だちが来れば食事を出した。家出した子がいれば親にかけあい、しばらく預かった。冬の路上でパンをかじっている人には、温かい飲み物を差し入れる。

 「キリスト教にひかれているから」

 阪神大震災(1995年)の朝。大きく揺れる部屋で、利江は子どもたちを抱きよせて仏壇の前に走り、「お父ちゃん、助けてー」と叫びながら拝んだ。

 「それ何なん? でしょ。でもこういうおおらかな母やからよかった」と未映子は笑う。(敬称略・宮坂麻子)

作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:3 うまくいってもいかんでも運やから2008年4月22日

 どんな時も川上家に笑いは絶えない。

 「探検に行きます」。ある日、利江(54)が子どもたちにいった。すでに夜。バケツを持たされ向かった先は学校。水をくむという。実は料金未納で水道が止められていたのだ。

 「辛気くさいのは好かん」

    *

 未映子は、哲学的な半面、人一倍気が強く、目立ちたがり屋だった。

 幼稚園のお遊戯会。列の端の方で登場すると、隣の子を押し、だんだん中央のマイクの前に近づいてきて、ニッコリ笑う。先生がもとの場所に列を押し戻してもまた、じりじりと中央へ。セリフは誰よりも大きな声で言った。

 小学校低学年のころ、黙読ができなかった。声を出してしか読めない。でも、そんなことは親子とも気にしなかった。高学年は学級委員で、通知表は国語と美術は5、あとは4か3。参観日に母が来るか気にし、来ないと激怒した。おなかが痛いとうそをついて、たびたび母に学校まで迎えにきてもらったこともある。

 利江は、公文も習字も詩吟も、子どもがやりたいと言ったおけいこ事は、なんでもさせた。すぐにやめても「そやから、ゆうたやろー」と笑うだけ。「勉強しろ」とも決していわなかった。

 「うまくいってもいかんでも、それはその子の運やから」

    *

 中学生の未映子は夏休みや春休みに、年を偽って友だちと、近くの工場へ働きに行った。利江が薦めたわけではない。友だちは小遣い欲しさだったが、未映子は給料を全額、利江に渡した。

 「気遣いのある優しい子なんです」

 だが、それは、利江の背中が教えたことでもある。生活が苦しい時も、子どもの友だちが来れば食事を出した。家出した子がいれば親にかけあい、しばらく預かった。冬の路上でパンをかじっている人には、温かい飲み物を差し入れる。

 「キリスト教にひかれているから」

 阪神大震災(1995年)の朝。大きく揺れる部屋で、利江は子どもたちを抱きよせて仏壇の前に走り、「お父ちゃん、助けてー」と叫びながら拝んだ。

 「それ何なん? でしょ。でもこういうおおらかな母やからよかった」と未映子は笑う。(敬称略・宮坂麻子)

天才の育て方(朝日新聞)川上未映子(その1)

★★★

松本潤 姉弟役の「柴咲さんと目がそっくり」 松田龍平・翔太が兄弟初共演! 松田優作映画で“父”を語る
片瀬那奈&長谷川潤「グータンヌーボ」MC

ミシュランに掲載拒否でも三つ星

相棒 スタートスペシャル「カナリアの娘」
「ギネ 産婦人科の女たち」(10月14日スタート、水曜・後10時

冷めても美味しい焼きそば弁当



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天才の育て方(朝日新聞)川上未映子

作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:1 文学と無縁「芥川賞って何?」2008年4月8日

シンガー・ソングライターの顔も持つ未映子。第138回芥川賞を受賞した

 「おかあちゃん、『乳と卵』で芥川賞取ったでえー」

 1月16日夜、都内の出版社「文芸春秋」の控室で待機していた未映子(31)から電話が入った。芥川賞の受賞を、真っ先に母に知らせてきたのだ。

 「おめでとう。よかったなあ。ほな、今日も一日笑顔でねえー」

 利江(54)は、いつも通りの言葉を告げて受話器を切り、すぐに長女の佐知子(33)に電話を入れた。

 「決まったでえー」

 佐知子は、弟の利明(30)に電話……。

 苦しい時代を結束して乗り越えてきた家族の、喜びの伝言リレーだった。

    *

 1976年8月、大阪の城東区で未映子は生まれた。

 夫(61)は不在がちで、お金もあまり入れない。利江はレストランやスーパーマーケットなどで働いて、子ども3人を育ててきた。

 一つ年上の姉の佐知子はエアロビクスの世界で活躍し、いまは2児の母。

 一つ年下の弟の利明はラグビーの有名選手。大工大付属高校、明治大、神戸製鋼とラグビーのエリートコースを進み、高校・大学・社会人それぞれで日本一を経験した逸材だ。

 そして、今度は、未映子の受賞――。

 「私はなんにもしてません。ただ、いつも周囲の人に感謝し一生懸命に生きるよう言ってきただけ。あとは子どもたちが勝手に育っていってくれた……」

    *

 昨年、初めて書いた小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が、芥川賞の候補になった。未映子から連絡を受けた利江は驚いた。

 「芥川龍之介? 名前は知ってる」

 「芥川賞って何? 賞金いくら?」と、姉も競馬の賞と思った様子で、尋ねた。

 家に本らしい本は一冊もなかった。子ども向けの絵本や童話すらない。利江自身も本を手にしたことはあまりないし、図書館に子どもを連れて行った覚えもない。

 まさに、文学とは無縁の家庭だった。

 だが未映子は、なぜか幼いころから不思議な才能を持っていた。(敬称略・宮坂麻子)

作家・川上未映子のおかあちゃん 利江さん:2 怖い話で想像力が育ったんかなぁ
2008年4月15日

 未映子(31)は、幼いころから哲学的な少女だった。

 2、3歳のころ。家族で海に行った時の姿を、利江(54)は忘れられない。

 姉も弟も海に飛び込んではしゃいでいるのに未映子だけは水に入らず、砂浜にじっと座って砂に絵を描いていた。絵を描きたいというより、描いた絵が波で消されるのを不思議がっているようだった。描いては消え、また描く。小1時間、同じことを繰り返していた。

 「止めませんでしたけど、変わってる子やなあと思いました」

 祖母と動物園に行った時は、帰宅しても水筒のお茶を絶対に捨てようとしない。「お茶を捨てると思い出もなくなる」と主張した。

 祖父が亡くなった時は「死ぬのがわかってるのに、何で生まれてきたん?」と尋ね、利江を困らせた。

 「理屈っぽい」と言われる未映子を、利江は決して否定しなかった。

 「子どもはありのままに育てるのが一番やから」

     *

 小学校に入ると、未映子はあさりちゃんやドラえもんなどの漫画にはまった。

 読むだけではない。チラシを漫画本の大きさに切って、裏に1巻分全ページの漫画をまる写しする。ドラえもんの写しを、作者の藤子不二雄さんに送って、下敷きと手紙をもらったこともある。

 3、4年生になると、自分で漫画を描いて、吹き出しを入れて、どんどん話を作っていく。

 「将来は漫画家になるんかなーって思てました」

 国語の教科書が大好きで、何度も読んだり写したりしていた。

 利江は、姉と弟にはいつもおもちゃをプレゼントしたが、未映子だけは漫画本にした。暇を見つけては、お姫様などの絵を一緒に描き、話も作った。

     *

 なかでも得意だったのは「怖い話」。

 「ある家に一つドアがあってなあー、それをギーっと開くと……、イチゴの顔をした人間が……」

 効果音も入れたその話しぶりには、いまも子どもたちが絶叫する。

 「私の怖い話で、未映子の想像力も育ったんかなあ?」(敬称略・宮坂麻子)

天才の育て方(朝日新聞)★川上未映子(その2)
天才の育て方(朝日新聞)川上未映子(その1)

★★★

松本潤 姉弟役の「柴咲さんと目がそっくり」 松田龍平・翔太が兄弟初共演! 松田優作映画で“父”を語る
片瀬那奈&長谷川潤「グータンヌーボ」MC

ミシュランに掲載拒否でも三つ星

相棒 スタートスペシャル「カナリアの娘」
「ギネ 産婦人科の女たち」(10月14日スタート、水曜・後10時

冷めても美味しい焼きそば弁当

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